歯列矯正をされる多くの方が「なるべくなら歯を抜きたくない」「歯を抜かない矯正で」と希望されます。虫歯や歯周病が進行したことで抜歯に至るのなら仕方ないと思われるのでしょうが、悪くない健康な歯を抜くことに抵抗を持たれるのは当然のことだと思います。可能な限り非抜歯で歯並びを改善するために、当センターグループの歯科医院では「遠心移動」、「側方拡大」、「ディスキング」を行います。 しかしながら、すべての症例において抜かない矯正を行える訳ではありません。歯科用CTを用いて精密検査の結果で抜かない矯正が可能かどうかの判断となります。なお無理な抜かない矯正には隠れた危険性が潜んでいますのでご確認ください。
下アゴの適応能力を利用し、きれいな口元、無理なく口が閉じられる状態をつくります。
以前はなかった装置が今世紀に入って登場してきております。その例として、マイクロインプラントの登場があります
奥歯のかみ合わせを整えるのに古くはヘッドギアが使用されていました。しかし、このヘッドギアの使用は、 現実的ではありません。なかなか患者さんが使用してくれず、奥歯の移動が出来ないため結局は出っ歯に なってしまいます。そして、抜歯をするということが、以前は多くのケースでありました。 マイクロインプラントの登場により、患者さんの協力がいらず、確実に奥歯のかみ合わせを整えることが できるようになりました。
弱い力の方が歯はよく動く。矯正治療は、強い力でグイグイと歯を引っ張っているイメージをもたれている方が少なくありません。 ところが、これは全く逆のことなのです。歯にかける力は優しい方が歯はよく動きます。これらの装置は、 歯にかける力を優しくするように非常に工夫がなされています。
矯正装置・診断技術の進歩により多くのケースで歯を抜かずに歯並び、口元、かみ合わせの治療がきちんとできるようになりした。 主に抜歯かどうかを判断する要因が3つに分けられます。
これからご紹介する治療法すべてに当てはまることですが、歯並びが悪いの原因は「歯が並ぶあごのスペースが足りない」ためです。この「遠心移動」とは、簡単に説明しますと奥歯をさらに奥へ移動させることです。これによって歯を並べるスペースを作り出します。
従来のブラケットとワイヤーなどの矯正装置とは別に、拡大装置を用いて、奥歯を横に広げて、歯の並ぶスペースを作ります。しかしながら、必要以上の側方拡大は、歯列矯正治療終了後に元の歯並びに戻ってしまったり、奥歯で噛めなくなる場合もありますので、矯正医の見極めが大変重要となります。
「ディスキング」とは、歯の表面を少し削ることで隙間を作ります。このディスキングは、歯のスペースを作る以外にも後戻りを防ぐ手段のひとつとして歯列矯正では用いられることがあります。
歯科用CTを導入したことで、これらの様々な情報を得られるようになり、より正確に「抜歯か非抜歯」かを判断することが可能となりました。 歯列矯正において、治療技術はもちろんのこと、それ以上に事前の診査・診断が命運を分けると言っても過言ではありません。インプラント処置において歯科用CTが必要不可欠となっているように、歯列矯正においても歯科用CTが不可欠な存在になる時代は間違いなく来ます。それほど歯列矯正治療には重要なのです。
20代女性、目立たない装置を希望。装置はマウスピース。治療期間は10ヶ月で、インビザラインにて歯を抜かずに並べることができました。前歯がななめになっており、右上は1本歯が内側に入っているのを気にされて来院されました。インビザラインにて綺麗に治療ができ非常に喜んでいただきました。
20代女性。装置はマウスピース(インビザライン)。治療期間は1年6ヶ月。下の前歯の叢生を気にされて来院されました。目立たない矯正装置を希望されていたため、インビザラインにて治療しました。内側に入り込んでいる歯を外に出すスペースが無かったため、治療期間が少しかかりましたが、患者様には満足していただきました。